風俗の歴史 その6

1990年代以降の風俗業

1990年~2000年代・・・無店舗型性風俗の登場、店舗型の衰退

バブル崩壊後の1990年代以降、

青少年が犯罪に巻き込まれることを防止する目的=「青少年の健全育成にふさわしい環境の確保」

という名目で、繁華街にある店舗型の性風俗店への規制が強まります。

現行の法律体制では、新規に店舗型の性風俗店を出店・開業することは、全国の大半の地域で、事実上、ほぼ不可能になっています。

 

ソープランドをはじめ、1985年の風営法改正以前に届出を出していたファッションヘルスのみが、既得権として、店舗型での営業を認められています。  

※ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

 

1999年4月、改正風営法の施行に伴い、無店舗派遣型の性風俗サービスが、合法化されます。

女性をホテルや客の自宅に派遣して、ファッションヘルスと同様のサービス(本番行為無し)を行う業態として、「デリバリーヘルス」(デリヘル)と呼ばれるようになりました。

無店舗派遣型の性風俗が合法化された背景には、店舗型の性風俗店を無店舗型に移行させることで、「青少年の健全育成にとって有害な存在である性風俗店を、社会の目につかない場所(無店舗)に追いやることによって、環境の浄化を図る」という目的がありました。

無店舗型風俗の発展には大きなデメリットが存在しました。それは今までの店舗型の風俗店であれば警察などの機関の管理もしやすく、法律違反の問題を常に店側も考えていたことから、女性キャストへの教育であったり、性病予防などの検査もしっかりしていました。しかしながら、どこでも店を開くことができることからそういった管理が甘い店舗が増えてしまい、性病リスクや本番リスクなどの問題が浮上してきました。

つまりはサービスが客の自宅やホテルで行われるので、警察の取り締まりの手が及ばず、違法な本番行為も蔓延しています。それに伴って、性風俗業界全体の労働環境は、悪化の方向に向かっています。さらに、警察の介入と言う危険度が下がったところから、未成年の就労者が増えるなど、

 

「青少年の健全育成にふさわしい環境の確保」という観点から見るとその方向からは確実に遠ざかってしまったというのが実情です。  

 

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